映画「遥かなる勝利へ/BURNT BY THE SUN 3 : THE CITADEL」公式サイト > Introduction

解説

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ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフが放つ
壮大な戦争スペクタクル3部作 ついに完結 !

1970年代から1980年代にかけて発表した『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』『オブローモフの生涯より』『黒い瞳』などの傑作で、旧ソ連を代表する世界的フィルムメーカーとなったニキータ・ミハルコフ監督。2007年の『12人の怒れる男』で長いブランクを打ち破って復活を遂げたこの巨匠が、新たなライフワークとして取り組んだのが『太陽に灼かれて』『戦火のナージャ』、そして最新作『遥かなる勝利へ』へと連なる戦争ヒューマン・スペクタクル3部作である。

3部作を通して監督&主演を兼任するミハルコフが1994年に放った『太陽に灼かれて』は、スターリン大粛清の時代を背景に、男女3人の痛切な愛憎を紡ぎ上げた人間ドラマ。チェーホフ的な田園地帯のノスタルジックな情景描写に、得も言われぬ官能とサスペンスが入り混じったその映像世界は、カンヌ国際映画祭審査員グランプリとアカデミー外国語映画賞に輝き、日本でも多くの観客を魅了した。それから16年ぶりに製作された続編『戦火のナージャ』は、前作の主人公であるコトフ大佐と愛娘ナージャが生き別れたまま、第二次世界大戦下の独ソ戦に巻き込まれていく姿を映像化。ロシア映画史上最大の製作費を投じたその超大作は“ロシア版『プライベート・ライアン』”とも形容され、苛烈を極めた戦闘シーンとともにドラマチックに描かれる父と娘の物語があらゆる観客を圧倒した。そして完結編となる『遥かなる勝利へ』では、コトフとナージャ、彼らを引き裂いた秘密警察のドミートリ大佐のその後の運命を描出。『戦火のナージャ』の壮大なスケール感はそのままに、戦争というものの残酷な悲劇性のみならず、人間の愛と生への渇望を力強く表現し、3部作を締めくくるにふさわしい感動大作に仕上がった。

あまりにも過酷な運命に翻弄される父と娘の絆を軸に
人間の愛、そして“生きる”ことの尊さを描く感動巨編!

 ロシア革命の英雄でありながら政治犯の汚名を着せられたコトフは、懲罰部隊の一兵卒としてドイツ軍の堅固な要塞と対峙していた。そんなコトフの前に、スターリンの命を受けて彼の捜索を続けていたドミートリ大佐が出現。深い因縁で結ばれたドミートリから、すでにこの世を去ったはずの元妻マルーシャが生きているという事実を告げられたコトフは、家族とのかけがえのない思い出の地である避暑地の別荘へと導かれていく。一方、最愛の父コトフとの再会を願ってやまないナージャは、今なお従軍看護婦として戦地を駆けずり回っていた。やがてスターリンの非情な命令によってコトフが絶体絶命の危機に陥ったとき、ナージャもまた戦場の最前線へと走り出すのだった……。

 スターリン大粛清から独ソ戦にかけてのソ連の激動の歴史を大河ドラマのごとく描き上げた3部作は、この完結編で複雑に絡み合ってきた登場人物の人間模様の行き着く果てを見届けていく。『太陽に灼かれて』『戦火のナージャ』の名場面を挿入しながら、コトフとナージャの父娘の絆、コトフとドミートリの確執を情感豊かに映し出すミハルコフ監督は、コトフと1万5000人の市民兵がドイツ軍要塞へと突き進んでいくクライマックスを、無数のエキストラを動員してビジュアル化。その先に待ち受ける衝撃的なラストシーンまで、スクリーンに広がる緊迫の光景からひとときも目が離せない。  また、戦争の不条理とともに「人はなぜ生きるのか?」というテーマを探求してきたミハルコフ監督は、名もなき兵士や庶民のバイタリティーを、時にユーモアを交えた迫真のタッチで活写。とりわけドイツ軍の爆撃のさなか、ナージャがひとりの妊婦の出産に居合わせるエピソードは鮮烈な印象を残す。まさに巨匠ミハルコフの集大成と呼んでも過言ではない、渾身の一大巨編がここに誕生した。